うつ病を治療したいなら|基礎知識を知っておこう

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うつ病の治療には大きく分けて「急性期」「回復期」「再発予防期」の3つの期間が存在します。まず急性期とは、病院などを受診してうつ病と診断され、治療を開始する期間のことです。うつ病を長期化させないためには発生初期のケアが大切であり、この期間の前後は治療において非常に重要と言えます。診断後には社会人であれば休職などが勧められ、十分な休養を取るようにアドバイスを受けるのが一般的です。また、抗うつ剤の処方が必要な場合にはこの期間に始まります。次に回復期は、治療開始から1〜6か月ほど経過してうつからの回復傾向が見られる期間です。ただし、この期間にうつ病が治ったように見えても、それは一時的な兆候である可能性が大いにあります。うつ病は回復と悪化を繰り返しながら完治に向かうことが多い疾患です。しかし、患者自身や周囲の人間が回復期に完治したと誤解し、投薬や通院をやめてしまうことがよくあります。それはさらなる悪化や回復の遅れを招く原因であるため、まずは担当医へ相談して判断を仰ぎましょう。そもそもうつ病治療は長期化が予想されるため、あまり初期に現れる回復の傾向は一時的なものとひとまず疑うべきです。また、休んでいる仕事などに復帰したがる人が多いのもこの時期です。本人の希望であれば、無理のない範囲で元の生活を取り戻し始めましょう。そして再発予防期は、回復期後の再発が疑われる期間です。投薬が必要であれば続け、ストレスをかけないように気を付けて生活します。目安は1〜2年程度ですが、うつ病は非常に再発しやすいため、それ以降も経過観察を続けることが必要です。具体的には回復後10年以内の再発率が50%以上とも言われ、時間が経つごとにその確率は上昇していきます。よって、厳密に言えばうつ病が「完治」するということは無く、それに近い、ほぼ回復したという意味で「寛解」という用語が使われます。うつ発症〜寛解までは平均で12週間であるとされています。ただし寛解後にも経過観察が必要であるため、治療は長期間を見込まなければいけません。その間に医師と対話、協力して治療を行う必要があるため、初診時に信頼できる医師を選ぶことが出来るかが、効果的な治療をするために重要な点の一つです。患者は人と話すことが難しい状態になっていたり、自身の病状を上手く伝えられなかったりすることが珍しくありません。そんな状態の患者の言葉をしっかり聞いて気持ちを汲み取り、適切な治療を提案してくれる医師を選びましょう。ただし医師に問題がなくても、どうしても人間的に相性が合わないと感じることもあります。その場合には他の医師や病院を検討しても問題はありません。あまり自宅から離れると通院がしづらかったり、もしもの時に頼れなかったりすることも考えられるため、出来るだけ近場で、かつ良い印象の医師に依頼するべきです。更に、使用する抗うつ剤について丁寧な説明をしてくれるか、また抗うつ剤が効かなかった場合にはその原因を考え、柔軟な対応をしてくれるかも受診時にチェックするポイントです。そして、患者やその家族もうつや抗うつ剤についてしっかりと知識を持ち、適切な治療が行われているか判断することが大切です。